~ 私の介護への想い ~
介護福祉士会 会員 Mさん
私が介護の世界に入ろうと思ったきっかけは、今でいうヤングケアラーの状態であったことです。高校時代祖父が介護状態になり敷地内に隣接するように、祖父が住んでいた為、入浴や食事の手伝い、部屋を祖父宅に移し近くで寝ていました。自分の親もいたため家族で観ており現在問題になるような状態にはなく、それが当たり前のように過ごしていました。
その当時週末のみアルバイトをしていたのですが、アルバイト先で高齢の男性客が転倒して、その時駆けつけたお客さんの女性二人が一緒に介抱してくれました。
その男性客は独居で、生活状態がままならずゴミ屋敷のような環境で生活しており社協で訪問介護のサービスを受けるようになったことを、その介抱していただいた女性のお客さんから聞きました。その方は社協で働く方々でした。この時、高齢者の生活を支える仕事があることを知りました。
祖父が認知症の症状がひどくなった時も、その社協でボランティアをさせていただいたので手探りながら、家族と協力し介護をしました。祖父は亡くなりましたが私も高齢者の役に立つ仕事に就きたいと介護福祉士を目指しました。
現在では共働きで自分の親も介護状態になり、安心して預けられる施設やサービスがあるからこそ仕事ができています。介護、社会保障の問題で高齢者ばかりが恩恵を受けているなど聞かれる世の中になりました。また、就職活動中の方に介護の仕事を勧めると、まだ介護の(仕事の)お世話にはなりたくないと、介護の仕事に就くのは最終手段的なことを言われショックを受けたこともあります。
私が目指す介護は、社会資源として全ての人が繋がりをもって生活できる事です。
高齢者個々がもつ強みを最大限に活かすことができるのも介護職の役割だと考えています。利用者が生活しやすい、スタッフが働きやすい環境を作る管理者。施設内だけではなくそこから地域、社会に貢献できて全ての人が自分は必要な存在と思え、施設を利用して預けた家族も満足できるような環境を目指しています。
私が介護福祉士会の研修で学んで印象深い言葉が二つあります。
一つ目は「お互いさま」。いつか自分自身、大事な人が必ず人のお世話になる時が来ます。支援を受ける人も、支援する人もその心をもって接していければ昔ながらの日本の良い文化、相互扶助の社会が守られるのではないでしょうか。
二つ目は「信頼関係の構築」。利用者と家族、スタッフとでは短期間で関係性を作らなければいけません。満足度が高く質の高いケアを提供することを意識しているスタッフは必然的に感情記憶に残るコミュニケーション・支援ができ、家族とも良質な関係が築けているのではないでしょうか。
高齢者、介護の仕事が疎まれる社会をなくし、最後まで本人らしい生活ができるように、私たち生活支援のプロは誇りと自信をもって切磋琢磨していっていただきたいと願います。